
応募対象の概要
災害に強い立地を生かした在宅避難を見据えて、暮らしに「防災」を取りこんだ全39棟の分譲住宅。さらに、物や場所の「共有」・つながりと学びを育む「ワークショップ」・継続を生む「管理組合」により「共助」につながるコミュニティ形成を図った。環境問題にも着目し、雨水利用や日常生活での環境負荷低減に取り組んだ。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
フェーズフリーの考え方を軸に「街区」・「住戸」・「活動」を計画した。「街区」分譲地の中心に公園を、入口に2ヶ所のコミュニティスペースを計画。日常的に住民が立ち寄る仕掛けと非常時にも役立つアイテムを散りばめた。【住戸】備蓄・非常用電源・生活用水・被害抑止の4視点と建築時や日常生活でのCO2削減を考慮し設計。日常の快適と非常時の在宅避難に生かせる工夫を施した。【活動】ハード面を最大限に活用してもらうためにワークショップを定期的に開催。防災意識や備え、食育を通した環境教育などの学びと共助につながるコミュニティ形成のきっかけづくりをした。また、管理組合を設立し、活動が住民主体で継続できる仕組みとした。

街の入口に設けた2ヶ所のコミュニティスペース。駅までの坂道に考慮した電動自転車のシェアサイクルや住民で育てる農園「コミュニティファーム」を設置し、日常的に住民が立ち寄り交流が生まれやすい計画。井戸は農園の水やりや共有地の清掃に活用。2段式宅配BOXや高効率給湯器の採用により日常時のCO2削減にも貢献。

収納ベンチ内のテントを設置し非常時の拠点となるコミュニティスペース。断水時には井戸や雨水タンクを生活用水に利用。かまどベンチは炊き出しに活用。宅配BOXは使わない段を防災リュックや救急グッズ入れとしても活用可能。高効率給湯器はガスか電気があれば作動。備蓄や被害抑止の工夫と合わせて在宅避難を可能にする。