
応募対象の概要
奈良県御所市に位置する「防災」と「交流」を融合した施設です。子どもたちの遊び場や軽運動が出来る多目的スペース等、地域の人々の多様なニーズに応える空間を整備しています。また、共用空間には談笑できる休憩スペースや雄大な葛城山系を楽しめるテラス等を設け、気軽に立ち寄れる憩いの場としての役割を担います。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
計画当初よりフェーズフリーの視点をもって施設づくりを行いました。防災への第一歩として、いざという時に「ここに来ればいい」という認識を地域の人々に持ってもらえるようなまちに馴染み、愛着を生む佇まいを目指しました。地域の災害事例やハザードマップ、個人でできる防災準備などを示した「防災展示」を施設共用部に点在し、訪れた際に目に触れ、潜在的な防災意識を育む仕掛けづくりも行っております。また、日常時に様々な利用に応える各諸室は、多様な属性の人々を受け入れる避難スペースとして転用できる計画とし、避難生活のQOLに配慮しながら、最大1000人の避難者を受け入れられる避難拠点を形成します。

多目的スペースは約500人の可動席を有し、講演会等の地域イベントや軽運動ができる空間としています。施設内で行われる活動が感じられるように共用部には開口や吹き抜けを設け、賑わいがつながり、地域のコミュニティづくりに貢献します。

避難スペースだけでなく、非常用発電機や給水・ガスの備蓄によるライフラインのバックアップを行い、非常時は防災拠点として機能します。停電時には「御所アラート」により、街に明かりを灯し、避難場所としての目印や光色の変化(青・緑・赤)による情報発信を行います。