
応募対象の概要
日本の伝統産業である畳について、折り曲げや接続を可能にすることで、折り紙のような形状への柔軟性と創造性を持たせました。日常時はアレンジ可能な家具として、非常時は広さを調整できるシェルターとして利用できます。さらに使用期間が過ぎた畳は堆肥となるため、文化面・環境面から持続可能性を促進します。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
畳のもつ断熱性、吸音性、抗菌浄化作用等の機能が日常時・非常時共に有益なことに注目しました。畳を変形可能なモジュールとすること、また床材以外でも活用することで、洋室や限られた空間でも日常から畳の良さを味わえるようにしました。特に家具としての活用は、非常時の寝泊りの衛生を保つことにもなります。
大きさは、一人が寝られる中京間の規格を基本に、持ち運びや棚としての利便性を加味しました。芯材には軽量かつ断熱性のある既存の素材を使用するため、組み立てや持ち運びが容易かつシェルターとしての断熱効果も期待できます。組み立てや接続に必要な部品は畳に付着しており、いつでも用途に応じて形状を変更できます。

日常時は、洋室や畳を置くスペースのない場合でも、気軽に畳の持つ安らぎやぬくもりを日常生活に取り入れることができます。軽量で折りたためるため、引っ越しの際も持ち運ぶことができます。また、必要に応じて気軽に組み替え可能なため、生活環境が変わっても長く利用できます。

非常時は、体育館や公民館などで寝泊りする際のシェルターとなります。普段使用しているシーツを被せると屋根になるため、プライバシーも保たれます。一人用から家族用まで、広さの調整が可能です。畳の持つ多様な機能により、1.5次避難時のストレス軽減が期待できます。