
応募対象の概要
津波発生が予想されている静岡県下田市において、東日本大震災(宮城県女川町を対象として)の教訓を生かした事前復興計画を提案する。女川町のリサーチをまとめ、震災復興に対して3つの教訓を導き出した。3つの教訓に適応する下田市内の敷地を3つ選定しそれぞれsite1、2、3とし、それぞれ教訓を生かした建築を提案する。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
site1では「生業の再建」という教訓を生かした漁業施設を提案する。日常時では生業を活性化する漁業拠点として整備し震災後は生業を維持する拠点となる。site2では「文化、歴史の継承」という教訓を生かしたミュージアムを提案する。日常時では震災への当事者性を高める災害関連のミュージアム、災害後は災害をアーカイブする施設となる。site3では「海との近いまちづくり、避難動線の確保」という教訓を生かした展望台を提案する。日常時は海の近くに住んでいる意識化を誘発する展望台となり、災害時は高台公園への避難動線となる。日常的に親しまれる建築に災害後の機能も付加することで日常的な災害意識の強化と災害後の迅速な復興を目指す。

日常時は海を眺めることのできる展望台として機能する。女川町が震災後のまちづくりで目指した海の近くに住んでいるという意識化を促す。この意識化により事前の防災意識や災害時の迅速な避難を個人単位で誘発し日常生活の中に災害意識を介入させる。

site3では「海との近いまちづくり、避難動線の確保」という教訓を生かした展望台を提案する。site3で災害時は津波避難場所となっている高台の公園への避難動線として活用される。現在の複雑な避難動線を建築により明確に可視化することや高齢者が多い地域におけるスロープの避難動線として機能する。