「余白の間(はなれ)」と「雁木歩廊」のある家

応募対象の概要

「余白の間」と「雁木歩廊」のある“全天候型住宅”の提案。「余白の間」が多様な使い方を日常時でも非常時でも変わらずに許容できることで、常に豊かで開放的な暮らしを実現できるとともに、「雁木歩廊」によって街路を引き込み、光や風や緑といった自然環境資源をコントロールしながら享受し、快適性の向上も図れる計画。

フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント

日常時でも非常時でも変わらない光や風や緑といった自然環境資源を、「雁木歩廊」という空間を再構築して活用することで暮らしを開放的で快適にするとともに、「余白の間」が状況に応じて多様な使われ方を許容できることで、日常時と非常時の暮らしの変化を少なくしてストレスを低減できる。さらに、パッシブな計画を中心とすることで、省エネになるだけでなく停電時においても有効なものとする。また「雁木歩廊」は本来の豪雪対策だけでなく、日射遮蔽や通風を活用した熱波災害対策(夏季停電時を含む)、構造コアや水平構面の適切な配置による地震災害対策、「土間」や「ぬれ縁」という設えによる洪水災害対策といった役割も果たしている。

日常時 「余白の間(はなれ)」と「雁木歩廊」のある家(日常時)

街路を引き込む「雁木歩廊」は、光や風、緑も取り込み、快適な暮らしを可能にするだけでなく、「余白の間」も併せて様々な行為を許容し、多様化する暮らしに順応する。この「余白の間」と「雁木歩廊」があることでプライバシーを確保しながらも豊かで開放的な暮らしを楽しむことができる。

非常時 「余白の間(はなれ)」と「雁木歩廊」のある家(非常時)

この家は、外部環境変化の察知、災害発生時の被害の軽減、被害の確認、効果的な避難や救助、比較的容易な復旧に有効に機能する。また「余白の間」は多様な使われ方を許容でき、非常時には“避難所”としても機能するが、日常時も“客間”として使われるので暮らしやコミュニティの変化が少なく、ストレスを低減できる。