
応募対象の概要
東京ドームとほぼ同じ面積(4.8ha)の放牧場で、普段は繁殖牛10頭程度が牧草を食べ健康的に暮らす。ここを有事の際には、地域の家畜動物を受け入れる避難場所に整備している。感染症対策や事故防止のためにゾーン分けをし、付近の安全な沢水や備蓄飼料があるため、断水や停電時、草がなくなる冬季間でも問題はない。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
基本的には、強固な囲いの中で、牧草や雑草など最低限の維持管理をしている現状に、水源を確保するだけで避難場所としての運用ができる。運搬車両ごと入場できるゲートや感染症対策となる仕切り柵も既に整備した。あとは、安全性を担保・可視化するための、牧草の放射線量や水質検査などの定量データを把握できていれば、緊急時に安心して避難放牧ができると考える。市街地に近く、JA管内でいえばほぼ中央に位置していることから、移動だけならば1時間圏内と推測している。このような避難放牧場の整備や避難訓練の成果を、家畜動物の防災システムのプロトタイプとして構築し、広く発信したい。

SDGs時代に即した持続可能な畜産の生産現場として、家畜を飼養管理できる。放牧畜産は肥育に時間を要したり、赤身主体で肉質等級が下がってしまうが、赤身志向や環境消費などの消費者動向の変化もあり、再注目されている。

市街地に近く、囲いがあり、餌と水も確保できる環境であることから、近隣の家畜を緊急放牧させる、家畜動物の避難場所として機能させる。ゲート内に入れるだけで、一定期間は人が介入しなくても安全に過ごすことができる。写真は令和6年5月に実施した避難訓練の様子である。